トライバルラグ、ヴィンテージラグの種類について解説 トライバルラグのおしゃれなコーディネート

2023.01.19 2024.03.29

トライバルラグ、ヴィンテージラグの種類について解説 トライバルラグ、ヴィンテージラグおしゃれなコーディネート

インテリアの意匠計画、空間プロデュース・提案の仕事を30年以上経験し、海外で協業生産している製品のデザイン開発、生産の『仕組み』作り、世界の工芸品やトライバルアートのBuyingなどを仕事にしています。

特にトライバルラグ・絨毯、ヴィンテージラグ・絨毯、オールドラグ・絨毯の買い付けは、日本の住空間や日本人の感性に合わせた意匠、コンディション、風合いを総合して、ありきたりではない選定を心がけています。

ボー・デコールオンラインとは?

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、永く使える上質な天然素材のインテリアを発信しているLOHASなインテリアショップ。オリジナルブランドの開発も手掛け、全国のインテリアショップ、デパートなどに提供しています。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。

 
世界のトライバルラグ展

トライバルラグとは
ヴィンテージラグとは

トライバルラグとは

まずトライバルラグ、ヴィンテージラグ、オールドラグの呼称の説明から。
当社では

トライバルラグ・・・・
トライバルラグカシュガイ、トライバルラグヤラメ、トライバルバクチアリ、トライバルラグバルーチ、トライバルラグアフガン バルーチトライバルラグトルクメン
などが有名です

tribalトライバルは『部族の、種族の』という意味を持ちます。

昔は行動の範囲も狭く、同じ部族や種族の中で、生活に根づいた伝統的な儀式や宗教などのまつりごとが執り行われていたと推測されます。
そしてその部族ごとの文化様式から特有の文様や衣装、タトゥーなどのトライバルデザインが生まれたと考えられます。

遊牧民の絨毯の歴史は3000年以上と言われ、様々な部族に様々な文様が織り伝えられています。トライバルラグ は古の時代から伝え継がれた伝統工芸品なのです。

トライバルラグの一覧はこちら

絨毯を織る部族と産地

中でも絨毯の織りの技術に長けた有名な部族は

ギャッベでも有名なカシュガイ族、ルリ族

カシュガイ族の女性がギャッベを織る様子
カシュガイ族がギャッベを織る様子

カシュガイやルリ族から派生したと言われるヤラメ族
トルクメニスタンを中心にイラン、アフガニスタンetcに居住するトルクメン族

トライバルラグ トルクメン
トライバルラグ トルクメン

イラン系山岳民族のクルドの人々
バルーチ語を母語とするイラン東部からパキスタン南西部に広く居住するバルーチ族
部族の連合のバクチアリ、シャーサバンなど。

トライバルラグバルーチは特に有名です。

トライバルラグ バルーチ
トライバルラグ バルーチ

また、中東・アジアだけでなく、アフリカ大陸(現在のサハラ砂漠)の遊牧民でありモロッコ先住民のベルベル人などにも受け継がれています。

トライバルラグ ベルベル
トライバルラグ ベルベル

紀元前から絨毯を生産し続けてきた部族は数え切れません。

ヴィンテージラグとは

部族絨毯のほかに、織られた国、都市、街、場所などに加え、年代がある程度特定された手織り絨毯が織られた都市、街などの名前をつけてヴィンテージ○〇〇と呼ぶ場合もあります。例えば ヴィンテージトルコ、ヴィンテージイスファハンなど

本来のヴィンテージは、ワインを表現する際に用いられていました。
ブドウの収穫から醸造を経て瓶詰されたワインで特に完成度が高く、製造された年代が明確で、価値がある当たり年のワインを「ヴィンテージワイン」と呼ぶことから、「ヴィンテージ」という言葉が広がりました。

インテリアの業界では、ヴィンテージという言葉の定義を知らずに混同されて、化繊など新しく製造されたヴィンテージ風のデザインなども、ヴィンテージの名前が使用されているようですね。

ヴィンテージラグの主な例として
ヴィンテージラグトルコ ヴィンテージラグモロッコ ヴィンテージラグアフガニスタン
ヴィンテージラグハマダン、ヴィンテージラグシラーズなどの都市部の絨毯

そのような世界各地で様々な部族の人々が独自の文化から伝え継がれて織り上げられたラグ、絨毯をトライバルラグとしています。

そして一点一点手織りで織り上げられたトライバルラグ、ヴィンテージラグは堅牢で耐久性に富み、使い込むほどに風合いが増していきます。
全てではありませんが、使い込まれた絨毯の中でもその年代により希少性のある柄、色遣いの美しさ、織りの細やかさコンディションにより価値が増す絨毯もあります。

織られた年代による絨毯の呼び方
(当社基準)

トライバルラグやヴィンテージラグなどの手織り絨毯の選び方の参考になるのが、織られた年代です。
※絨毯専門店によって多少呼び方が違います。

アンティークラグ

トライバルラグ トルクメンのアンティーク絨毯
トライバルラグ トルクメンのアンティーク絨毯

作られてから80年以上経過した手織りラグのみアンティークと呼びます。

アンティークラグの中でも図柄が優れ、希少性が高いものは別格です。年数を経た分だけ糸も繊細になっているので装飾用などにおすすめです。

セミアンティークラグ

1960年代に織られたトライバルラグ バルーチ
1960年代に織られたトライバルラグ バルーチ

50年以上~80年未満の使用していた又は寝かせていた手織りラグ。ご自分で使用することによりアンティークまで育て上げてください。

オールドラグ

1980年代に織られたトライバルラグ トルクメン
1980年代に織られたトライバルラグ トルクメン

作られてから30年~50年未満の手織りラグ。絨毯の世界ではまだまだ若いので思う存分使用して風合いを育ててもらえればと思います。

セミオールド

2000年代のヴィンテージラグ トルコ
2000年代のヴィンテージラグ トルコ

作られてから15年~30年の手織りラグ。価格も比較的手ごろなのでトライバルラグ、ヴィンテージラグ初心者の方にお勧めです。

ヴィンテージラグの定義(当社基準)

当社では上記の手織り絨毯を総称してヴィンテージラグ(Vintage Rug)としています。
ちなみにヴィンテージVintagとは古くて価値が高い、年代物で由緒あるなど。
もともと当たり年のワインを指していた言葉なので、当社ではただの使用していた中古品のラグ、機械織りのユーズドラグ、ヴィンテージ風の絨毯をヴィンテージラグとは言いません。

トライバルラグ、ヴィンテージラグの文様について

絨毯に織り込む文様の種類は部族ごとに様々なものがあります。
代表的な文様をご覧ください。

ギュル(家紋)

部族や家柄を示す紋章のような役割のあるトルクメン族特有の文様。部族としての「誇り」も表現されています。

ギュル(家紋)
ギュル(家紋)

ひし型 medallion

目を抽象化した魔除けのモチーフ「メダリオン」。他人の嫉みや悪い考え、災いから身を守ると信じられており、多くの部族が用いるモチーフです。

目をモチーフにした文様「メダリオン」
目をモチーフにした文様「メダリオン」
目をモチーフにした文様「メダリオン」

チナール chinar

ポプラや楓のような形の葉っぱの文様。バルーチ族やトルクメン族のトライバルラグに使われることが多い文様です。

チナール文様
チナール文様
チナール文様

ドラゴン dragon

ひし形を雄羊の角のような柄が囲む柄はドラゴンを表していると言われ、多くの部族のトライバルラグに見られる文様です。水と空気を自由に操るドラゴンは、豊作や豊かさの象徴と考えられています。

フックドメダリオン
フックドメダリオン
フックドメダリオン

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ヴィンテージラグ、トライバルラグ
選び方とご使用のアドバイス

トライバルラグは現地の遊牧民が土足の生活で使用していたものがほとんどです。
遊牧民の生活は画像のように突き上げ式テントの中に大地に直に敷くのが当たりまえです。

遊牧民の突き上げ式テント
遊牧民の突き上げ式テント

遊牧民の方は絨毯を洗濯機で洗ったりはしません。日本以外は土足で使用する文化ですので、絨毯を洗ったりすることなどはほとんどありません。ほとんどのものが埃まみれです。

気になる方は必ず洗浄済のトライバルラグか、(特に水洗浄をしているか)確認されることをお勧めします。また 洗浄済みでもすべての砂・埃が取りきれることはないと思います。

気になる方はトライバルラグの使用にははっきり言って向いていません。

ただ、トライバルラグはそれだけの厳しい使用環境でも、はたけば埃が落ちやすい、堅牢で長持ち、使い込まれたものの方が遊び毛も少なく柔らかい風合いになっています。
「魔法のじゅうたん・空飛ぶじゅうたん」と言われている所以なのかもしれません。

※ボーデコールではすべてのトライバルラグ、ヴィンテージラグ、キリムを海外の提携工房で水洗いによる二度洗浄、または国内の自社クリーニング工場で洗浄を行っています。

水洗いにいるフル洗浄を二度行っています
水洗いにいるフル洗浄を二度行っています

自社洗浄工場での洗浄の様子
自社洗浄工場での洗浄の様子

トライバルラグにおいについて

トライバルラグの臭いが気になる方も多いようです。

高温多湿な日本と違い、中東など絨毯が生産される国は湿度が低く現地ではほとんど臭いは気になりません。

湿度の高い季節に日本で使用する場合、ウール素材の絨毯は、羊毛に含まれる油分の臭いや現地での生活臭などが感じられることがあります。その場合水洗いによるフル洗浄をすることにより軽減されます。

アンティークラグを使用してみたい方へ

アンティークラグは年数が80年以上経過している分、繊細でものによっては糸も弱くなっている箇所もあります。

初めてトライバルラグを使用する方は、セミオールドやオールドなどの年代が若いラグからその良さを感じてもらった方が良いのではと思います。アンティークラグは中級者以上の方がご使用するのがお勧めです。
また、ミニサイズだと比較的価格も安いので試しやすいですよ。

ミニサイズのヴィンテージラグ

トライバルラグ、ヴィンテージラグが
様々な空間に馴染む理由

原毛のトライバルラグ 渋い大人意匠の『ナチュラルトライバルラグ』 コラムを見る

トライバルデザインとは

そのトライバルラグ、ヴィンテージラグ、オールドラグ。インテリアとしてお部屋に敷く場合、とてもコーディネートが難しいのではと思う方も多いようです。

トライバルラグは様々な空間にお洒落に上質に馴染みます。

トライバルラグの歴史は3000年以上と言われています。その代表であり最古の絨毯としても知られるのがペルシャ絨毯。ペルシャ絨毯の原形が、遊牧民たちが羊毛で織り上げたトライバルラグであると言われています。

ペルシャ絨毯
ペルシャ絨毯

ペルシャ絨毯が本格的に日本に渡ってきたのは安土桃山時代です。

ヨーロッパはもとより、シルクロードを経由してアジア・コーカサス、中国、そして日本に渡ってきました。そして美しい文様の織りが信長や秀吉に気に入られ、秀吉は自身の陣羽織に裁断したペルシャ絨毯を用いたと言われています。

ペルシャ絨毯は、京都の祇園祭りの山鉾(やまぼこ)や町屋に飾り付けられるなど、日本の文化、工芸にも大きな影響を及ぼしました。

唐草模様

日本の風呂敷の唐草文様も、イスラムの植物をモチーフにしたアラベスク文様に関係すると言われています。

唐草模様
唐草模様

市松模様

日本の伝統的な市松文様(炭治郎の羽織も市松文様)も古くは正倉院の代表的な宝物、染織品にもみられます。
江戸時代にオランダ商人を経由して歌舞伎役者の佐野川市松が大衆に流行らせ、日本の織物には欠かせない伝統図柄になりました。

市松文様も元をたどればトライバルラグに伝統的に伝わるチェッカー文様だと思われます。

市松模様
市松模様

トライバルデザインは日本のみならず、世界中に影響を与えています。

ペイズリー模様

19世紀にイギリスで生まれ世界で人気を博したペイズリー柄は、インド更紗の柄などを参考にデザインされたと思われます。ただ、もとをたどればペルシャ文様の糸杉が風に靡(なび)いた『生命の木』がモチーフと言われています。イタリアのアパレルブランド etro(エトロ)もペイズリー柄でデザインした製品で知られています。

ペイズリー柄イメージ
ペイズリー柄

マルチカラーのボーダー

イタリアの高級アパレルブランドの創業者オッタヴィオ・ミッソーニも部族の文様に強くインスパイヤーされたと言われ、マルチカラーのボーダーもトライバルラグの伝統的な文様です。

世界の生活様式や文化に多大な影響を与えているトライバルデザインは、様々な生活シーンにごく自然に融合し溶け込んでいるのです。それも存在を主張しながら。

トライバルラグの一覧はこちら

トライバルラグのコーディネート

私も永年、空間プロデュースを仕事としてトライバルデザインを様々なシーンにコーディネート・提案しきました。

一般住宅はもちろんアパレルなどのセレクトショップ、デザイナーズホテルなど様々な空間にトライバルデザインが施されたトライバルラグ、ヴィンテージラグを使用していただいています。

古民家風、和モダン風、クラッシック風、プロバンス風、ナチュラル風
説明する必要はないくらい馴染みます。それもかなりお洒落に。

トライバルラグ、ヴィンテージラグのコーディネート例

トライバルラグのコーディネート
新潟県 K様
お客さまの声より
ヴィンテージラグ
神奈川県 M様
お客さまの声より

トライバルラグ、ヴィンテージラグが
特におすすめなシーン

北欧テイストの空間やアーバンモダン・アーバンナチュラルな空間によくトライバルデザインを提案しています。アパレルなど高感度のセレクトショップのお店の床を気にして見てください。

モダンな空間に高確率でトライバルラグや手織り絨毯などがディスプレイとして敷かれていると思います。クールな空間を華やかに上質にするのです。

ショップの床に敷かれているトライバルラグ

あと最近提案が多くなっているのがデザイナーズホテル。京都、白馬、軽井沢などのデザイナーズホテルにトライバルラグを敷いていただいています。

そして、なんといっても北欧テイストにトライバルデザインは王道中の王道です。

ナチュラルな質感の素材を細部まで削ぎ落した意匠のチェアにトライバルラグをセットアップなど華美なものを削ぎおとした丁寧な空間のアクセントにトライバルデザイン。

普遍的なデザインのもの同士を融合させた空間。やっぱり王道です。

数千年にわたり伝え継がれたトライバルデザイン、トライバルラグは年数を重ねても先鋭的に映り、時代や年代を超えて様々なシーンで支持されるのだと思います。

トライバルラグの一覧
ライタープロフィール
ボー・デコールグループ 代表

この記事を書いた人: 今井 良成

ボー・デコールグループ 代表
趣味:山登り、パワースポット巡り

20代の頃からインテリア業界で主にインテリア全般の提案を行う。1997年からシンプルナチュラルデザインに「健康」「環境」を併せ持ったインテリア空間の提案とLOHASなインテリア製品の開発を始め、製品や生産国ごとに7つのインテリアベンチャー会社を起業。
現在までにテキスタイル製品120アイテム、ラグデザイン200アイテム、インテリア製品50アイテムなどのデザイン・企画開発を行うとともに、海外協業先の5カ国において日本国内の基準に合わせた製品開発指導もしています。


2013年 自身がデザイン、ディスプレイをしたブースがインターナショナルギフトショー秋2013のディスプレイコンテストで準大賞を受賞
2014年 自身がデザイン・プロデュースした製品4商品が GOOD DESINGN AWARD 受賞(オーナーを務める G-Reform株式会社にて)
2018年 オリジナル開発のラグ・絨毯で『エコテックス®スタンダード100』肌着レベルのclass2 を6年連続で取得
※エコテックス®スタンダード100とは…350を超える有害化学物質が対象となる厳しい分析試験にクリアした製品だけに与えられる、世界最高水準の安全な繊維製品の証


現在もLOHASなインテリア製品のデザイン、企画、生産地への指導を行い、‘見た目‘より『質』に重きをおいた空間プロデュースや製品開発に取り組んでいます。

ヴィンテージラグ、トライバルラグのコンテンツ
ボー・デコールのヴィンテージラグ
トライバルラグ

ボー・デコールオンラインとは

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、全国の皆さまに永く使える上質な天然素材のインテリアを発信し続けているLOHASなインテリアショップです。オリジナルブランドの開発も手掛け、ウールラグ『ハグみじゅうたん®』リネンカーテン『Lif/Lin(リフリン)』リネンとコットンの雑貨『8à(ハチア)』を展開。全国のインテリアショップ、デパートなど258社に提供しているロハスインテリア商材の総合開発会社でもあります。オンラインショップでは、自社開発のオリジナル商品とコンセプトに添った厳選したアイテムをセレクト。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。


インテリアショップ ボー・デコール