ヴィンテージラグを楽しむポイント -多彩な色彩と文様-

使い込まれて味わいのあるヴィンテージラグは、シンプルナチュラルなお部屋をぐっとおしゃれにしてくれるアイテムの一つ。
不思議とどんな家具にも合わせやすく、ボー・デコールのインスタグラムでも一番人気があります。
今回はヴィンテージラグをより楽しんでいただくために、遊牧民や農耕牧畜民が伝統的に織ってきたラグの産地や文様についてご紹介します。多彩な色彩と文様をお楽しみください。
ボー・デコールオンラインとは?1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、永く使える上質な天然素材のインテリアを発信しているLOHASなインテリアショップ。オリジナルブランドの開発も手掛け、全国のインテリアショップ、デパートなどに提供しています。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。 |
目次
ヴィンテージラグの名称と産地

ヴィンテージ…「古くて価値のあるもの」「年代物のアイテム」など、作られてから時を経て希少性が増したもの。ラグや絨毯も同じように、制作されてから20~30年経過した価値のあるものをヴィンテージラグといいます。
一般的には25~50年ものは「セミオールド」、50~100年ものは「オールド」、100年以上経過したものは「アンティーク」というように古さを表現します。
※仕入れる国や業者によって表記は異なります。
ボー・デコールオンラインのヴィンテージラグの表記について
ボー・デコール オンラインでは、つくられてから25年~80年が経過し、使い込まれた味わい深さとインテリア性を兼ね備えているものを「ヴィンテージ」、つくられてから80年以上が経過し、希少性があるものを「アンティーク」と表記しています。
トライバルラグ(部族絨毯)とキリム

ヴィンテージラグやオールドラグ、アンティークラグには、遊牧民や農耕牧畜民が自分たちの生活道具として織る「トライバルラグ」があります。
トライバルは「部族」という意味。トライバルラグはイランやトルコ、アフガニスタンなどの地域に住む少数民族が織る絨毯です。一般的には主に毛足(パイル)のある絨毯を指します。トライバルラグは部族によってデザインに特徴があり、代々伝わる家紋の意味を持つ文様や、地域に伝承される文様などが織り込まれます。
トライバルラグの代表的な部族はバルーチ族、トルクメン族、アフシャール族など。他にもたくさんの部族があり、一つの部族はさらにたくさんの一族や支族に分かれています。
移動によって文様やデザインが他の部族に伝わることもあり、中には判別が難しいものも。ただ、織った部族が不明でも、アート性の高い美しいトライバルラグは多数あります。多彩な文様やデザインを楽しむことができます。
トライバルラグの一覧はこちら
▶ トライバルラグ(部族絨毯)一覧
そして部族が織るラグや絨毯のひとつに「キリム」があります。

キリムの一覧はこちら
▶ ヴィンテージキリム一覧
キリムも地域や部族の伝統的な文様が織り込まれます。遊牧民や農耕牧畜民が敷物や掛け布として、暮らしのあらゆる場面で使うために作ってきた平織りの織物です。
どちらも元々は自分たちの生活道具として作られてきましたが、販売用として商業的に製作されることもありました。
ただ、都市工房で作られる緻密に工程管理された絨毯と比べると、比較的ざっくりとした織りで文様もおおらかに表現されているものがほとんど。
特に遊牧民が織るものは移動しながらの製作のため、織りムラや染めムラが生じることも多いのですが、それが独特の魅力になっています。

自由な感性で織りあげる部族絨毯ならでは
一部ヴィンテージラグをご覧いただけます
▶ 【ボー・デコール 横浜ショールーム】
ヴィンテージラグの名称
トライバルラグやキリムなどのヴィンテージラグは、産地名や集積地の地名で呼ばれたり、部族名、織りの種類、中には道具名などの名称で呼ばれたりと、とても複雑です。取り扱う業者によっても、仕入れる国によっても名称が違うことがあります。
ただ、大まかにはトルコやその周辺地域では地名が名称になっていることが多く、イランやアフガニスタン、中央アジアでは部族名が名称になっていることが多いというのが共通しています。
ラグの織り手として名高い部族
ラグの織り手として名高い部族や、ラグの名称としても親しまれている部族のごく一部をご紹介します。

バルーチ族
主にパキスタン、イラン南東部、アフガニスタン北西部に居住する部族。複数の織りの技法を使いこなす卓越した技術と豊かな感性を持つことで知られている。
トルクメン族
イラン北東部からトルクメニスタン、アフガニスタン北西部にかけての中央アジアに居住する部族 。最も赤にこだわりのあるトルクメン族のラグは深みのある茜色が多い。トルクメン族の中でもさらにいくつかの部族に分かれ、部族意識が強い。各部族には「ギュル」と呼ばれる特有の文様があり、部族や家柄を示す紋章のような役割を持つ。
アフシャール族
中央アジアからイランのケルマンに移住してきたトルクメン系の民族。
バクティアリ族
イランのイスファハン西部にそびえるザグロス山脈に暮らす遊牧民族。
カシュガイ族
イラン南西部のザクロス山脈に居住する部族。ギャッベの優れた織り手として有名。今でも一部の人は遊牧生活をしている。
ベルベル族
北アフリカの国モロッコの先住民族。ベルベル諸語を話す人々。ベルベル族の織るベルベル絨毯はオレンジ色や黄色など鮮やかな色が多く使われているのが特長。
ヴィンテージラグの有名産地や集積地
ヴィンテージラグの有名産地やラグの名称としても親しまれている集積地の一部をご紹介します。

ミラス
トルコ南西部に位置する今も複数の遺跡が残る古代都市。ミラスの絨毯は繊細な淡い色合いが多く、上品で落ち着いた雰囲気が特徴。
ブハラ
シルクロードの軍事・交通・産業の重要都市として栄えたウズベキスタンにある都市。ラグ・絨毯の取引きが盛んな場所。
セラバンド
イラン中西部に位置する地方都市。中央一面に描かれるボテ(ペイズリー)のデザインで有名。
シラーズ
イランの南西部に位置するファールス州の都市。シラーズ周辺には、今も一部が遊牧生活をしているカシュガイ族が暮らしている。
ヘラート
アフガニスタンの北西部に位置し、かつては中央アジアとインドを結ぶ交易の重要拠点として栄えた都市。
ヴィンテージラグの文様とデザイン

ヴィンテージラグに織り込まれる文様やデザインは、それぞれ意味を持ち由来があります。好きなヴィンテージラグの文様の意味を知ると、より愛着が湧いたり、織られた時代に思いを馳せる楽しみも増すのではないでしょうか。
チナール chinar
ポプラや楓のような形の葉っぱの文様。バルーチ族やトルクメン族のラグに使われることが多い。



ひし型 medallion
目を抽象化した魔除けのモチーフ。他人の嫉みや悪い考え、災いから身を守ってくれると信じられている。多くの部族が用いるモチーフ。



ドラゴン dragon
多くの部族のトライバルラグに見られる文様。ひし形を雄羊の角のような柄が囲む柄はドラゴンを表しているとも言われる。水と空気を自由に操るドラゴンは、豊作や豊かさをもたらすと考えられている。



パルメット palmette
イランのラグに多くみられる文様。ナツメヤシ(palm)の葉を意味するが、蓮の花をイメージしているとも言われる。蓮、牡丹、百合の花や椰子の細長い葉などを表すことも多い。



ユルドゥズ(八角星) yildiz
幸運の象徴。幸せや豊穣を願って織り込まれる。



生命の樹 tree of life
繁栄や永遠の命を表すモチーフ。家族の健康や長寿を願い織り込まれる。


ギュル(家紋)
部族や家柄を示す紋章のような役割のあるトルクメン族特有の文様。部族としての「誇り」も表現されている。


キリムエンド
ヴィンテージラグの文様や色彩にはたくさんの魅力が詰まっています。さらにもう一歩、ヴィンテージラグの楽しみ方として注目していただきたいのが「キリムエンド」です。
「キリムエンド」とはトライバルラグの毛足のある部分とフリンジとの間にある平織りの部分。絨毯を摩擦から守るために、織り始めと織り終わりに装飾的に織り込まれることがあります。
シンプルな無地にステッチだけのキリムエンドもあれば、凝った文様が織り込まれているものも。織り手のセンスが現れるようでデザイン的にも面白い部分です。
キリムエンドのこだわりを見つけるのもヴィンテージラグの楽しみ方のひとつかもしれません。
ぜひキリムエンドにも注目してみてください。
織り手のセンス溢れるキリムエンド


デザインが美しい

手織り絨毯の起源
ここで少し手織り絨毯の起源ついてご紹介します。
手織り絨毯の歴史はとても古く、紀元前に遡ります。現存する最古の絨毯はすでに完成された技術で織られていることや、デザイン性の高さなどから、実際にはさらに古い時代から絨毯を織る文化があったと推測されています。
歴史上もっとも古い手織り絨毯
歴史上もっとも古い絨毯は紀元前3~5世紀頃のもので、バズィルィク絨毯(バジリク絨毯)というものです。このバジリク絨毯は現在のペルシャ絨毯の織り方と同じ高度な製作技術で織られているそうです。永久凍土から発見されたため保存状態が良く、絨毯に描かれた「へら鹿」や「馬に乗る兵士」「花」などの文様もはっきりと残っています。
現在もロシアのエルミタージュ美術館に所蔵されていますので、ロシアへ行く機会があれはぜひ。
シルクロードとカーペットベルト
中国の絹(シルク)がローマへ運ばれたことに由来する「シルクロード」では、交易をとおして様々な文化も運ばれました。そのひとつが手織り絨毯です。
シルクロードは「カーペットベルト」とも言われています。シルクロード一帯には絨毯づくりの伝統を持つ地域が広がっていたためです。民族の移動や交易とともに絨毯の技術や文様が伝えられ、各地で花開きました。

まとめ
自由な感性で織られた手織り絨毯は、自由に感じ取るのが一番。”好き”と思う文様や色、雰囲気には共通するものがあるかもしれません。
その時々で印象が違ったり、たくさん見ていくうちに好みが変わっていったり。そんな感じ方の変化も含めて、ぜひ自由にヴィンテージラグをお楽しみください。
ボー・デコールでは、ヴィンテージラグをもっと気軽に楽しんでいただけるよう、ラグ選びをお手伝いいたします。わからないこと、知りたいことがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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ボー・デコールのヴィンテージラグ
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ヴィンテージラグ風に仕上げた
上質ウールラグ
ボー・デコールオンラインとは1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、全国の皆さまに永く使える上質な天然素材のインテリアを発信し続けているLOHASなインテリアショップです。オリジナルブランドの開発も手掛け、ウールラグ『ハグみじゅうたん®』リネンカーテン『Lif/Lin(リフリン)』リネンとコットンの雑貨『8à(ハチア)』を展開。全国のインテリアショップ、デパートなど258社に提供しているロハスインテリア商材の総合開発会社でもあります。オンラインショップでは、自社開発のオリジナル商品とコンセプトに添った厳選したアイテムをセレクト。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。 |
