国産材の魅力

国産材の魅力

木の家具は、つるつるすべすべ。つい触りたくなる気持ち良さがありますよね。木は面白いもので、育つ環境や国によって木目や色などが大きく異なります。四季があるからこそ、日本の木はやさしくて繊細な木目に。今回はそんな国産材の魅力をご紹介していきたいと思います。

1.やさしい色合い

国産材
栗材

日本にはあまり濃い色の木は見かけず、どちらかというと明るく優しい色合いの木が多いです。ただ、個体差はあり同じ木でもすごく明るい木目もあれば、落ち着いた深い色を出すこともあります。その色の違いも楽しみのひとつです。

樹種_山桜
明るめの山桜
山桜
濃い色の山桜

2.繊細な木目

国産材栗
国産の栗の木
モンキーポッド
熱帯アメリカ原産のモンキーポッド

日本は一年の気温の差も大きく、年輪も緻密で細やかに。一方、温かい国で育った木はおおらかな木目が特徴で、今にも踊りだしそうな躍動感が伝わってきます。どちらも魅力ある木には変わりないのですが、それぞれのお国柄が出ているようで面白いですよね。

3.どんな材種にも合わせやすい

ウォールナットの椅子と山桜のテーブル
ウォールナットの椅子と山桜のテーブル

北米で採れるウォールナットなどの色の濃い木と組み合わせても、不思議と馴染む日本の木。こちらは山桜のテーブルとウォールナットの椅子を組み合わせた様子ですが、思いのほか相性抜群!あえて別の材種同士で組み合わせるのも素敵です。

木の種類について

木は大きく「針葉樹」と「広葉樹」の二つに分けられます。それぞれ特性があるので、用途に合わせた木材を選ぶことが重要です。

針葉樹と広葉樹の違い

針葉樹の特徴

針葉樹は葉っぱをよく見ると針のように細いのが特徴。建材としては梁や柱などに用いられます。また、柔らかく足触りがいいので、床材にするととっても気持ちがいいです。

広葉樹の特徴

広葉樹はとても堅く丈夫なので、椅子や机などの家具、フローリングなどに向いています。広葉樹は種類も豊富なので、木によって様々な色や木目を楽しむことができます。

ボー・デコールで出会える広葉樹

無垢材の節(胡桃)

<オニグルミ>
ウォールナットと同じ仲間の木ですが、それほど濃くなく淡いベージュと茶色の中間のような優しい色合い。時折入る節が表情をより豊かにしています。


栗材

<栗>
薄い灰色がかった黄色い色合い。水に強く、粘りがあり狂いの少ない木です。木目はシャープで繊細。落ち着いた品のある雰囲気になります。


樹種_山桜

<山桜>
桜の花を連想させるピンク色の木目。とても堅く頑丈な木です。木目が緻密で美しく、独特の艶があります。徐々に濃くなる色合いも楽しみのひとつ。


樹種_ブナ

<ブナ>
木目は優しく上品。細かな斑(ふ)が全体的に入っているのがブナの特徴です。出来立てはうっすらピンク、だんだんと黄色みが強く出てきます。


ナラ

<ナラ>
うっすら灰色がかった色合い。虎斑(とらふ)といった縞模様が入ることがあります。これは栄養がたっぷり行きわたった質のいい天然木の証でもあります。


<樺>
キラキラと輝く光沢が特徴。木目は薄く全体的に優しい印象を受けます。出来立ては明るい白。徐々にピンクと黄色が混ざったような色に変化します。


ボー・デコールで出会える針葉樹

杉

<杉>
年輪がはっきりと見えるので、木の表情を楽しむことができます。使い込むほどに年輪の部分が浮き立ち、それもいい味に変わっていきます。


ヒノキ

<ヒノキ>
出来立ては真っ白でふわふわと柔らかくとても気持ちがいい。使い込むほどに密度が詰まりツルツルとした質感に。色もアメ色に変化していきます。


日本の森について考える

木はすぐには大きくなりません。長い年月と人の手をかけて、大きく育っていきます。日本の森をよりよくしていくために、自分たちには一体何ができるのかな?そんなことを思いはじめると、途方もなく感じることも。ですが、色々な森に行って専門家の方にお話を聞いたりする中で、一番大切なのことは「興味を持つこと」だと教わりました。ここでは、少しでも多くの方に興味をもってもらえるように、日本の森林について深堀していこうと思います。

日本の木材自給率は?

針葉樹と広葉樹
左:針葉樹の森 右:広葉樹の森

日本は国土の2/3が森林と、世界的にもかなりの森林保有国。にもかかわらず、世界有数の木材輸入国でもあります。国内における木材自給率は約30~40%で、その内訳のほとんどが針葉樹。広葉樹の割合は10%前後です。針葉樹は育ちが早く、伐採まで時間を掛けずに材料として使えるメリットがありますが、市場から求められているのは強度の高い「広葉樹」の方が多く、結局は輸入に頼らざるを得ない状況が続いています。

育てやすいのは「針葉樹」、使いたいのは「広葉樹」。この食い違いが国内の木材自給率がなかなか高くならない理由のひとつなのかもしれません。

資源には“限り”がある

遥か昔から日本人は木を伐って家を建て、薪にして暖をとることで森林の恩恵を受けて生きてきました。使う量が少なかった昔はそれで上手く回っていたのですが、時代の流れと共に用途も増え、森林伐採は急速に進んでいくことに。特に戦争が続く貧しい時代は、木材は貴重なエネルギー源として次々に伐採されていきました。そうして刈り取られた山を埋めるように、成長の早い針葉樹が多く植林されるようになったのです。

林業の課題

熊ハギの被害
熊による「クマ剥ぎ」の被害

戦後復興として計画的に植林が進んでいったものの、その後高度経済成長期のエネルギー需要が高まると、燃料は薪や石炭から石油へとシフトチェンジしていきました。さらに、外国材の輸入量が増え国産材の需要は次第に減少傾向に。すると木材の育成も後回しになり、徐々に手つかずの森が増えていったのです。

木はただ植えれば勝手に育つのではなく、計画的に間伐をし、整えていかなければいけません。管理する人がいなくなり森が放置された結果、土壌が荒れ、土砂災害や獣害被害などが増えるようになっていったのです。

日本のこれからの森のためにできること

伐採された杉の木
伐採された杉の木

針葉樹が多く植林されて50~60年が経ち、今がちょうど伐採の時期。刈り取った木材をどう使うか、そしてその後に何の木を植えるのかも重要な課題です。

その土地にあった様々な種類の木をバランスよく育てていくことが、土壌が豊かになることに繋がりますが、一種類しか植林しなかった人口林では、広葉樹の種が少なく針広樹が上手く混合された林になるには時間もかかります。また、その後の管理をどうやっていくのか、その次の世代のことまで考えた長期的な計画が必要になります。

針葉樹と広葉樹が混ざる混合林

せっかく何十年もかけて木を育てても、需要がなく価値が低いままでは林業は儲かりません。そうなると、さらに管理する人がいなくなり日本の森は荒廃の一途をたどってしまいます。

世界有数の森林保有国なのにも関わらず、その価値を見出せないのはとても勿体ないことです。まずは国産材の需要を増やし、林業を産業として成り立たせることがとても重要。私たちボー・デコールは、少しでも日本の森の未来を想い、国産材のご紹介を続けていきます。

森を育てるお手伝いを

林業研修の様子

わたしたちボー・デコールでは、国産材に興味を持ち始めた2016年ごろから、毎年山へ行き杉林を育てるお手伝いをさせてもらっています。木を扱う仕事をする上で、木がどのような過程で育って行くのかを知りたいと思い始めた研修も、早いもので8年目となります。

林業研修の様子

枝打ちや間伐など、実際に自分の手で作業することで、ほんの一部かもしれませんが林業の大変さを想像できるようになりました。いつも扱っている家具が、すごく価値のあるもので、永く大切にしたいとより一層思えるようにもなりました。こういった経験を、少しでも多くのお客様へお伝えしていきたいと思います。

「ボー・デコールの森」林業研修の様子はこちらから