ウールラグのダニ対処法 -人にも環境にも優しいダニ対策-

2021.09.14 2022.06.13

ウールラグのダニ対処法

ラグや絨毯のダニ対策にくん煙剤やダニよけスプレーなど化学薬品を使いたくない方へ。ボー・デコールの自然素材ラグはウールやコットンが主な素材。ご紹介している私たちも、できれは化学薬品を使わずに対処したいと考えています。そこで、今回はウール絨毯の開発に長年携わってきたスタッフが、「人にも環境にも優しいダニ対策」をご紹介します。

ボー・デコールオンラインとは?

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、永く使える上質な天然素材のインテリアを発信しているLOHASなインテリアショップ。オリジナルブランドの開発も手掛け、全国のインテリアショップ、デパートなどに提供しています。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。

 

対策前のダニの基礎知識について

ダニはもともとラグや絨毯にいるわけではない

「ラグや絨毯はダニの温床」そんな風に思っている方は多いと思います。

ですが、ダニはもともとラグや絨毯にいるわけではありません。これは各種データが実証していることです。

さらに、ラグや絨毯は長年「小児ぜんそくの原因」という誤解を受けてきました。
北欧スウェーデンでは「カーペットがアレルギーを引き起こす」という疑いから、教室がカーペット敷きの学校とそうでない学校を比較調査したところ、カーペットを敷いていない学校の方がアレルギー患者の割合が多かったという調査結果が出たそうです。

日本でも、ダニとアレルギー発祥の関係を調べた兵庫県の西宮市環境衛生局が次のように報告しています。

「小児ぜんそくなどのアレルギー症状の原因のひとつがダニであることは事実であるが、そのダニの最大供給源は、布団などの寝具から空気中に舞い上がったダニが犯人で、床材素材とは免疫学的には無関係である」と結論付けています。

~日本カーペット工業組合 「新・カーペットはすばらしい」より引用~

生きているダニと死んだダニ

ラグや絨毯のダニは掃除機では取れません。

なぜなら、生きているダニはかぎのある足で力強くラグや絨毯にがっしりしがみついているからです。吸引力の強い掃除機でも簡単には吸いとれません。とても生命力が強いのです。

一方ダニの死骸や糞はアレルゲン(アレルギーの原因物質)のひとつです。ホコリと一緒に空気中に舞い上がり、それを吸いこむことでアレルギーを引き起こす原因になると言われています。

つまり、ダニ対策は2つの観点で行う必要があるのです。

  • ダニを退治する(死滅させる)
  • ダニの死骸や糞を除去する

ここからはダニの「退治」とダニの死骸や糞の「除去」それぞれの対策についてお話します。

ラグのダニ対策いろいろ

ダニ対策の方法には色々なものがあります。薬局などで販売しているくん煙剤を使う方法、クリーナーやふとん乾燥機など高温でダニを退治する方法、ダニ除けのスプレーなど。それぞれのご家庭に合った方法があると思いますが、自然素材のウールやコットン、ジュートなどのオリジナルラグをご紹介しているボー・デコールでは、ダニ対策も人や環境にやさしい方法で行いたいと考えています。とくに子供やペットがいるご家庭では、健康や環境に害のない方法を選びたいですよね。

それぞれの役目は「退治」と「除去」に分かれます。ダニは高温と乾燥に弱いため、長時間高温にして乾燥させる方法が多いようです。どの方法でも、「退治」と「除去」はセットで行う必要があります。

  • くん煙剤(ダニアースレッド、バルサン等)「退治」
  • ダニ捕りマット「退治」
    ※ダニ捕りマットはダニを「捕獲」する道具ですが捕獲したマットを捨てることで「退治」になります
  • 天日で干す「退治」
  • ふとん乾燥機「退治」
  • コインランドリーの高温乾燥機「退治」
  • ふとんクリーナー(レイコップ、ダイソン等)「除去」
  • 掃除機がけ「除去」

「人にも環境にも優しい」という観点で考えると、天日干しやふとん乾燥機は問題なさそうです。掃除機やふとんクリーナーは普段のお手入れに必須です。ダニ捕りマットは誘引剤というダニを寄せ付ける薬品や殺虫剤が使われている製品も多く、素材だけでなく使われている薬品についても成分をしっかり確認する必要があります。

ダニが生育しやすい条件

ダニの生息条件は3つ。ダニは人間が快適と感じる環境で生育しやすいため、いかに清潔な暮らしをするかが重要になります。ダニの繁殖を防止するにはこの3つの条件が揃わないようにこまめな掃除と換気が大切です。

  • 高い湿度
  • エサ
  • 潜り込む場所

ダニのエサになるのは人間やペットのフケ、あか、髪の毛など。食べこぼしなどもダニにとって栄養満点のエサになります。ダニのような小さな生き物にとっては、ラグや絨毯は潜り込みやすい場所。布団や枕などの寝具も同じです。

人にも環境にも優しい ラグのダニ対策

自然素材のウールやコットンのラグには、人にも環境にも優しい方法をおすすめしたいと思います。といっても、どれも簡単にできることばかり。普段のちょっとしたお手入れがダニ対策になります。

湿気対策

ラグを半分ずつめくる

なるべく自然素材の通気性の良いラグを選び、湿度の高い時期はこまめに換気しラグの裏面をめくって風をあてるようにしましょう。大きなラグや絨毯を裏返すのは大変なので、半分ずつで大丈夫。夜寝る前に半分めくって一晩おき次の日は反対側、というようにすればラグを動かさずに裏面にも風を通すことができます。とくに湿度の高い夏や梅雨の時期はこまめな換気を心掛けましょう。

ウールラグは湿気を含むとセーターが濡れた時のような特有のにおいがします。このにおいは湿度が高いというサイン。換気の合図です。同じ自然素材でもコットンラグの場合は、湿気を放出しにくい特徴があります。

ラグの裏面にも掃除機をかける

ラグや絨毯と床の間にはゴミやホコリが溜まっていることがあります。湿気を含んだホコリはダニにとっては心地よい空間です。そうならないために、時々ラグの裏面も掃除機掛けをしましょう。

ダニのエサ対策

ダニの好物がラグや絨毯にたまらないよう、織りが細かく目の詰まったラグがおすすめです。目の詰まったラグや絨毯ならゴミや食べかすがじゅうたんの毛足の中まで入り込みにくいので、日常的な掃除機掛けがダニ対策になります。ダニの死骸や糞の除去にも掃除機掛けが有効です。

潜り込む場所

「潜り込まないよう対策」することは難しいですが、湿度とエサ対策をしっかりしていれば3つの条件は揃いにくくなります。

スチームアイロンを使ったウールラグのダニ対策

ダニは60度以上の高温で死滅します。アイロンのスチームを使うダニ対策です。

アイロンを少し浮かせて1カ所に3秒~5秒程度スチームをあてていきます。表面が終わったら裏面も忘れずに。ポイントはアイロンを押し付けずに少し浮かせることです。高温のスチームでやけどしないようご注意ください。

スチームをあてた後は、ダニの死骸や糞を除去する必要があります。細かくなったダニの死骸や糞はホコリやチリと一緒に空気中に舞い上がり、アレルゲン(アレルギーの原因物質)となります。ラグの表面、裏面どちらもしっかりと掃除機をかけましょう。

掃除機掛けのポイント

ゴシゴシしないのがポイントです。掃除機のヘッドがラグに吸い付くのを感じながら、吸引力に逆らわず手前にゆっくり引いて掃除機掛けします。

まとめ

  • ダニはもともとラグや絨毯にいるわけではない
  • ダニ対策は「退治」と死骸や糞の「除去」をセットですることが大切
  • ダニは高温と乾燥に弱い
  • 普段のこまめな掃除と換気がダニ対策になる
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ボー・デコールオンラインとは

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、全国の皆さまに永く使える上質な天然素材のインテリアを発信し続けているLOHASなインテリアショップです。オリジナルブランドの開発も手掛け、ウールラグ『ハグみじゅうたん®』リネンカーテン『Lif/Lin(リフリン)』リネンとコットンの雑貨『8à(ハチア)』を展開。全国のインテリアショップ、デパートなど258社に提供しているロハスインテリア商材の総合開発会社でもあります。オンラインショップでは、自社開発のオリジナル商品とコンセプトに添った厳選したアイテムをセレクト。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。


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