一生もの家具・一生もの椅子とは ひとつのものを、愛着をもって使用する「一生ものインテリアの世界」
私たちが「一生もの」というフレーズを最初に使ったのは20年以上前にデザインした学習デスクでした。それまでの学習デスクはお子さんが好むキャラクターや目を引くライト、電動の鉛筆削りなどの機能が満載でしたが、中学生くらいになるとその機能も子供っぽく感じられるものでした。実際に中学生くらいになるとやけに子供っぽく感じて平机を使用した経験から。
自分の子供には、大人の感覚に近づいた中学の頃だけではなく、「大人になっても使える、使いたいデザイン」の学習机をデザインしました。その学習机に
『一生monoの学習机』
とネーミングしたのが最初です。
それではインテリア開発・デザインのプロとして、一生ものインテリアについて解説させていただきます。
ボー・デコールオンラインとは?1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、永く使える上質な天然素材のインテリアを発信しているLOHASなインテリアショップ。オリジナルブランドの開発も手掛け、全国のインテリアショップ、デパートなどに提供しています。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。 |
「一生もの」とは
辞書を引くと『一生もの』・・・生涯にわたって使い続けることができる品。長く使いえる良品
とあります。
生涯と言わなくとも『愛着をもって長く使える良品』でイメージ出来る製品には次のようなアイテムが思い浮かびます。
時計、アクセサリー、バックなどの革製品など。
インテリアでは木材を使用した椅子やボードなど、そして天然素材で丁寧に織り上げられた手織り絨毯など。
また食器などでは鋳物ホーローや精工に造られた磁器製品などが思い浮かびます。
これらの『共通する五つの特徴』は
- 流行りではなく時を超えた色褪せない意匠
- 一般的には気が付かない研ぎ澄まされた意匠計画がなされている
- 長く愛用できる高品質な素材を使用
- 熟練した職人による手仕事や丁寧な製法による精密な加工や仕上げ
- リペアーやメンテナンスできる製造工法。部品交換や補修修理が人の手で出来る
などではないでしょうか・・・
また製品以外でも
「一生ものの心に残る経験」「一生ものの価値観」「一生ものの代え難い存在」など
「もの」を価値観や概念、人に置き換えて表現する方もいるかも知れません。
製品にしても価値観、存在などでも「一生もの」とは、
”他には代え難いものであり大切に付き合いうだけの価値があるもの”
ではないでしょうか・・・
「一生もの家具」とは
時計やアクセサリーだけではなく、家具にも一生ものが多くあります。中には希少性や意匠に優れインテリア愛好家にも高く評価される名作家具など、世代を超えて引き継がれていく家具製品も多くあります。
特に名作家具が多い北欧家具。
インテリア愛好家からも非常に評価が高いのが、世界で最も有名な 1950年代の家具デザイナー ハンス・J・ウェグナー【Hans J. Wegner】や家具の彫刻家と言われるフィン・ユール【Finn Juhl】の作品です。70年以上前にデザイン、製造された家具はリペアーされながらデザインも色褪せることなく現在もビンテージ家具として人気です。
ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユールなどの作品にも一生ものの『5つの共通点』が見て取れます。
「一生もの椅子」とは
「一生ものの椅子」とは、一般的な椅子とは異なり長期間にわたり愛用でき、永く使用するにあたり考え抜かれた意匠や耐久性、そしてリペアーしながら使用できる丁寧な製造工法を用いて製造された椅子ではないでしょうか。また長期間使用出来るだけでなく、通常生活におけるキズや塗装などの経年による変化も味わい深く感じられる椅子が「一生ものの椅子」と呼ばれるのではと思います。
ハンス・j・ウェグナー、フィン・ユールの椅子だけではなく、日本でも飛騨高山で30年前に開発されたオーク素材を華美な装飾を削ぎおとしたデザインのCRESCENTチェアやボー・デコールオンラインでも掲載している厳選した素地を丁寧に仕上げた「一生もののmyチェア」なども一生もののチェアにふさわしい意匠、造りではと思います。
「一生もの絨毯・ラグ」とは
「一生ものの絨毯」と言えば、世界でも最も有名で、高い評価を誇る伝統工芸品であるペルシャ絨毯ではないでしょうか。ペルシャ絨毯の歴史は3千年とも4千年ともいわれ、その歴史だけではなく丁寧に手織りで織り上げられた手仕事の美しさや堅牢さ、何千年に渡る伝統的な自然をモチーフにした図柄や自然の原風景をイメージした図柄などの意匠、その伝統的な文様は世界の文化にも多大な影響を与えました。
織りの密度が高く、上質な素材を使用し織られた絨毯ほど使いこむほどにその美しさや風合いは増し一人の生涯だけではなく、三世代にわたり使い継がれる堅牢な「一生ものの絨毯」の代表がペルシャ絨毯です。
最初に一生monoとしてデザインした
「一生もの学習机」
1998年に私たちのショップ『ボー・デコール』でデザインした「一生モノの学習机」です。
デザインコンセプトは
- 大人になっても使いたい学習机
- パーツ単体でも使い続けることのできる組み合わせ
- 傷がついてもかっこいい、そして自分でもメンテナンスできる
大人になっても使いたい学習机
この頃の学習机の主流は小学校入学前の子どもが気に入るようなキャラクターボードやスライドするライト、電動の鉛筆削りなどがセットされた子ども受けする学習机ばかりでした。私たちのショップもその頃は家具店でしたが、1996年までは展示のすべてがほぼキャラクター机でした。
あるお子さんのお母さんの要望から安全に配慮した素材、そしてデザインは私自身もし自分の子どもに使ってもらうなら実際に勉強を学習机で始める中学生、そして一番使用するであろう高校、大学、そして大人になっても使いたいデザインの学習机というコンセプトでデザインしました。
それから私たちのショップもアンチキャラクター机で、当時の学習メーカーさんからは結構白い目で見られましたが、意外とお子さんにもデスクマットだけキャラクターマットをセットすれば大人になっても使いたいデザインは受け入れられ、全国からご注文をいただくようになりました。
現在も25年前とほぼ同じデザインで紹介しています。今までに千人ほどのお子さんに使用していただいている、私たちのインテリアショップのデザインの基となった「一生monoの学習机」です。
キャラクターや電気スタンドなどの無駄な機能は付けずに素材や造りに予算を回しています。
使用する素材はオーク、ウォールナット、ブラックチェリーなど、大人に人気がある本格的樹種から選べます。引き出しも薄めにしました。大人が脚を組んで使用しても窮屈にならないよう、細かい部分のサイズも大人使用に。
チェストのキャスターは前面や側面から見えないようにしたすっきりデザインに。
机本体のサイズも、リビングに置いても邪魔にならない奥行き60cmにしてPCデスクやテレワークデスクとして使用できるサイズに。
パーツ単体でも使い続けることのできる組み合わせ
永く使ううえで、単体でも使用できるデザインにしています。
例えば机本体ならリビングにおいても、リモートワークデスクでも良いデザイン。そして四方から使える構造にしました。机として使用しなくなったら2人用のダイニングテーブルとして、脚をカットすればセンターテーブルに。
キャビネットはリビングチェストやベッドの脇に置くナイトテーブルにも転用できるように。学習机の上棚は、学習机として使用しなくなった時に飾り台やプランター置きとしても使用できるデザインにしています。
傷がついてもかっこいい、そして自分でもメンテナンスできる
子どものころの学習机の使い方と言ったら、机の天板でカッターをそのまま使用したり。とても丁寧に使用するなんて出来なかった思い出があります。どうするとキズが付くのか、キズ付いたらどう思うのか、自分でも直せるのか、ギリギリはどこまでなのか最初に自分のお城としての所有物=学習机で色々と試すことにより学んだ記憶もあります。
五感で体感できるように、そして自分で補修しながら使い込めるように天然木無垢集成材を天板、脚、棚、引出し前面に使用した設計にしています。
塗装もオイル仕上げで、少し手間は掛かりますが自分自身でメンテナンスできるように。またメンテナンスが面倒だというお子さんにはウレタン塗装も用意し親御さんにお願いして出来るだけお子さんに決めていただいています。
なんといっても人生で最初の自分だけのお城になる学習机なので。
ボー・デコールは
永く愛用できる、愛用したいインテリアの専門サイトです
ボー・デコールは2000年から「健康」「環境」「造り」にこだわったインテリアショップです。デザインもその時どきの流行を追うのではなく持続可能なデザインで天然素材を用いた愛着の持てるインテリアの開発及びセレクトを行っています。
一生もの学習机シリーズ
この記事を書いた人: 今井 良成
ボー・デコールグループ 代表
趣味:山登り、パワースポット巡り
20代の頃からインテリア業界で主にインテリア全般の提案を行う。1997年からシンプルナチュラルデザインに「健康」「環境」を併せ持ったインテリア空間の提案とLOHASなインテリア製品の開発を始め、製品や生産国ごとに7つのインテリアベンチャー会社を起業。
現在までにテキスタイル製品120アイテム、ラグデザイン200アイテム、インテリア製品50アイテムなどのデザイン・企画開発を行うとともに、海外協業先の5カ国において日本国内の基準に合わせた製品開発指導もしています。
■2013年 自身がデザイン、ディスプレイをしたブースがインターナショナルギフトショー秋2013のディスプレイコンテストで準大賞を受賞
■2014年 自身がデザイン・プロデュースした製品4商品が GOOD DESINGN AWARD 受賞(オーナーを務める G-Reform株式会社にて)
■2018年 オリジナル開発のラグ・絨毯で『エコテックス®スタンダード100』肌着レベルのclass2 を6年連続で取得
※エコテックス®スタンダード100とは…350を超える有害化学物質が対象となる厳しい分析試験にクリアした製品だけに与えられる、世界最高水準の安全な繊維製品の証
現在もLOHASなインテリア製品のデザイン、企画、生産地への指導を行い、‘見た目‘より『質』に重きをおいた空間プロデュースや製品開発に取り組んでいます。
ボー・デコールオンラインとは1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、全国の皆さまに永く使える上質な天然素材のインテリアを発信し続けているLOHASなインテリアショップです。オリジナルブランドの開発も手掛け、ウールラグ『ハグみじゅうたん®』リネンカーテン『Lif/Lin(リフリン)』リネンとコットンの雑貨『8à(ハチア)』を展開。全国のインテリアショップ、デパートなど258社に提供しているロハスインテリア商材の総合開発会社でもあります。オンラインショップでは、自社開発のオリジナル商品とコンセプトに添った厳選したアイテムをセレクト。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。 |