オイルとウレタン仕上げの違い
オイルとウレタン仕上げの違い

天然木の家具を選ぶとき、とても重要なのが仕上げ方法。仕上げにも様々な種類がありますが、多いのは一般的に多いのは「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」。それぞれに特徴があり、メンテナンス方法も異なります。無理なく自分に合った使い方ができるように、ご購入の前に仕上げの違いをチェックしてみてください。

オイル仕上げとウレタン仕上げって?

オイル仕上げはオイルを木に染み込ませる仕上げ。一方でウレタン仕上げは木の表面にプラスチックの薄い膜を塗布して硬化させる仕上げです。

オイル

オイル仕上げ
オイル仕上げは木に直接オイルを塗りこむ方法。ボー・デコールの扱う家具は植物性のオイルを塗っています。
<オイル仕上げの主な特徴>
・木の質感を楽しめる
・木の色の変化を楽しめる
・自宅で簡単にメンテナンスできる

ウレタン

ウレタン仕上げ
ウレタン塗装(ウレタン仕上げ)は木の表面をプラスチックの薄い膜で覆いマニキュアのようにコーティングをします。
<ウレタン仕上げの主な特徴>
・水や汚れに強い
・反りやゆがみに強い
・メンテナンスフリー
(自宅ではメンテナンスできない)

見た目と質感、どう違う?

オイルとウレタンは実は見た目にはほとんど違いはなく、横に並べて見ても分からないくらい。今のウレタン塗装は昔のようにピカピカした仕上げではなく、木の質感を感じられるような薄い塗膜で仕上げていることが多くなりました。

オイル仕上げ
<オイル仕上げ>
サラサラと木目を感じられる質感
ウレタン仕上げ
<ウレタン仕上げ>
触ると少しツルツルした感触

触ってみるとオイル仕上げの方がサラサラとした木目の凹凸を感じられます。ウレタンの方は多少ツルツルとした質感かな~というくらいで言われてもあまり気づけないくらいの違い。なので、見た目や触り心地に関してはどちらでも問題なし!という感じです。ただし、メーカーによってウレタンの厚みは異なるので、気になる場合は販売店に確認してみると安心です。

興味深い15年後の様子

ウレタン仕上げとオイル仕上げについて、こんなイメージをお持ちの方も多いと思います。

■ オイル仕上げ
メンテナンスが大変そう
■ ウレタン仕上げ
傷や水に強そう

こう聞くと、ウレタン仕上げの方が良いのでは?と思うかもしれませんね。ですが、私たちボー・デコールでお求めいただくお客様のほとんどがオイル仕上げを選ばれます。その理由はこちらの写真をみていただけると分かります。

オイル仕上げ
15年ものの無垢材ウォルナット
オイル仕上げ
ウレタン仕上げ
15年ものの無垢材ウォルナット
ウレタン塗装

これはメンテナンス方法をお伝えするのに15年ほど使っている板見本の写真。

よく見ると、ウレタン仕上げの方に細かな白い傷がたくさんついています。一方でオイル仕上げの方は細かな傷はあまり目立ちませんね。

これは決してウレタン仕上げの方だけを特別に傷つけたやらせではありません。むしろオイル仕上げの方が硬いクギなどでガリガリひっかいたりペンをグサグサ刺したり油性ペンで落書きしたり・・・かわいそうなくらい過酷な目に遭っています。(笑)そんな扱いを受けているにも関わらず、比べてみると圧倒的にオイル仕上げの方が艶があり色にも深みが出ていて綺麗。オイル仕上げのいいところは、傷をつけても自分で簡単にメンテナンスができることなんです。

傷が付いた時の違い

メンテナンスができるかどうかの違いは、傷のつき方にあります。オイル仕上げはオイルを浸透させているだけなので傷は木に直接ついていくので、木を削ればある程度きれいになります。一方でウレタン仕上げの方は、塗膜に傷が付きます。一度塗膜についた傷は消すことができません。

オイル仕上げの傷のつき方

オイル仕上げの説明

オイル仕上げはウレタン仕上げに比べると確かに傷は付きやすいのですが、オイルを塗ることで分かりにくくなり艶も増していきます。さらに木を紙やすりで直接削れるので、自宅で気軽にメンテナンス出来ます。

オイル仕上げ

写真の板は何度も傷付けていますが、その都度削ってオイルを塗ってケアしているので綺麗な状態を保っています。

ウレタン仕上げの傷のつき方

ウレタン仕上げの説明

このように木の表面に塗られたウレタンの塗膜に傷がつきます。この塗膜に一度傷が付くと気軽に直すことができないため、工場に出して再塗装してもらう必要があります。費用も時間もかかってしまうのが難点。

ウレタン仕上げ

この写真の板は傷をつけたあとは何もしていない(できない)状態です。

それぞれのメリットデメリット

オイル・ウレタン仕上げそれぞれに、いい部分と注意しなければいけない点があります。それぞれの特性の違いを知った上で、自分に合った仕上げをお選びいただけたらと思います。

オイル仕上げのメリット

・木の優しい肌触りを楽しめる
・木の呼吸を妨げない
・オイルが抜けてきても簡単に塗り直すことができる
・キズや汚れはヤスリで削ってメンテナンスできる
・へこみはスチームや水を含ませることで直せる
・体にやさしい天然の植物性オイルで子供にも安心

オイル仕上げのデメリット

・水ジミがつきやすい
・木が呼吸するため、反りやねじれが起きやすい
・乾燥に弱い
・熱に弱い
・定期的なオイルメンテナンスが必要
(カサカサしてきたらサッと塗る程度)

※オイル仕上げのデメリットである反りやねじれについては、乾燥に気を付けることで防ぐことができます。

天然木は乾燥や湿度に弱いので、冷暖房の風が当たる場所や直射日光が当たる場所には注意が必要です。乾燥してきたらオイルを塗ってあげてください。

▶ オイル仕上げのメンテナンス方法はこちら 

オイルメンテナンスについて

ウレタン仕上げのメリット

・水や汚れ、細かい傷に強い
・普段のお手入れが必要ない
・木の呼吸を止めているため(オイル仕上げに比べ)反りやねじれが起こりにくい

ウレタン仕上げのデメリット

・ウレタンに傷がつくと白っぽく目立つ
・熱に弱く、熱いものを置くと白く濁る
・塗膜が日焼けして黄色っぽくなることがある
・汚れが蓄積してペタペタしてくる
・除菌シートを使用しすぎると塗膜の劣化速度が速まる
・ウレタンがはがれたら工場で再塗装が必要
・傷やへこみは修復できない

※小さなお子さまがいて毎日水拭きしたい、メンテナンスはしたくないという方はコーティングがあるウレタン塗装が向いています。ただ、ご紹介したように長年使っていると細かい傷が白っぽく目立ってくるので、10~15年に一度ウレタンの再塗装をしてメンテナンスしてあげると綺麗に生まれ変わります。

迷ったときは?

オイル仕上げ、こんな人におすすめ!

・天然木の自然の風合いが好き
・経年変化を楽しみたい
・手を掛けるのが好き
・自宅で簡単にメンテナンスしたい

ウレタン仕上げ、こんな人におすすめ!

・毎日水拭きする
・多少の傷は気にならない
・自分でメンテナンスするのは面倒
・再塗装に費用や時間がかかっても問題ない

まとめ

ウレタン、オイル仕上げそれぞれに良さはありますが、ボー・デコールでは20年以上オイル仕上げのテーブルを推奨しています。美しい艶感や、使い込むほどに深くなる色合いはもちろん、メンテナンスのしやすさも永く使う上で欠かせないポイント。

ものは使えば必ず汚れや傷はついていきます。そういった傷をつけないように気にしながら使うのではなく、傷ついたときにどう直すかの方が大切。手を掛けながら使うことで愛着が生まれ、思い出が積み重なり、ご自身やご家族にとって特別な存在になっていただけたら嬉しく思います。

オイルメンテナンスの様子