2024.12.26 2024.12.29

Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと

こだわりのインテリアを長い年月をかけて少しずつ集められていたI様。この度築数十年の古民家の一部をリフォームし、長年構想を膨らませていた理想のお部屋が完成したとのことで、早速お話を伺いに行ってきました。
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと

ボー・デコールとの出会いは20年前

-この度は念願のリフォームおめでとうございます。お家づくりについてお聞きしたいことがたくさんあるのですが、とても長いお付き合いのお二人なので、まずはボー・デコールとの出会いからお話をお聞きしてもよろしいでしょうか。

<奥様>ありがとうございます。そうですね、ボー・デコールさんとの出会いは今から20年くらい前だったと思います。ちょうど長女が小学校に入学するときで、学習机を探しに伺ったのがはじまりです。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと


<奥様>あまり子どもっぽいデザインの机だと大きくなったときに飽きるかなと思い、長く使えるシンプルなものを探していました。新潟県内の色々な家具屋さんをまわっていたのですが、あまりピンとくるものがなくて。調べていく中でボー・デコールさんを知りました。初めてお店に見に行って、そこでシンプルな無垢材のデスクを見てビビッときて購入したのが始まりです。

その3年後には息子の入学に合わせて2台目の机を購入しました。娘はまだ机を使っていますが、息子は就職で家を出るタイミングで机を置いて行ったので、今は主人が使っています。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<お子さまが使っていた学習机>
LOHASデスク / ウォールナット

-リビングに溶け込んでいて最初気が付きませんでした!すごくいい味が出ていますね。

<奥様>形を変えて使い続けられるので、これにしてよかったと本当に思います。

実は寝室にも同じデザインの机をサイズオーダーで作ってもらいました。どれもいい味になっています。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<オーダーデスク>
オーダーデスクとアートギャッベ

<奥様>ちょうどそのくらいの時期に今度はダイニングテーブルと椅子を購入しました。
十数年使い込んでいい感じの雰囲気になっています。今回リフォームに合わせて1脚だけ座面の張替えをしました。スタッフさんがキレイに磨いてくださり、新品かなと思うくらい艶々になって帰って来て驚きました。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<使い込まれたダイニングテーブル>
使い込まれたダイニングテーブル
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<張替えをしたチェア>
座面の張替えをして磨き上げた椅子

ずっと想い描いていた理想の家づくり

-20年近く大切に使い続けてくださってとても嬉しく思います。もともと新築ではなくリフォームにしようと決められていたのですか?

<奥様>理想のお部屋を作るにあたり、建て直しも考えたのですが、固定資産税が上がったり金額も高くなってしまったりと、やりたいことに制限がかかるのも困るなと思い、家の一部だけ直すリフォームにしようと決めました。全面リフォームではなく、自分たちが普段よくいる部分だけ。狭く深くこだわるという方が私たちには合っていると思ったんです。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<本革のソファ>
5年ほど前にご購入いただいた本革のソファもいい艶感が出ていました

気に入ったものを
少しずつコツコツと

-お二人は理想のお家作りに向けてかなり長い期間を掛けてご準備されていた印象がありますが、ここにくるまでどんな道のりだったのでしょうか。

<奥様>そうなんです。長かったですね本当に。このリフォームに至るまで、かなりの時間を掛けて準備をしてきました。それこそ20年以上かけて少しずつコツコツと自分たちが気に入るものを集めてきました。

使い続けていい味になっているものもあれば、いつか新しいお部屋を作ったときに使おうと思い、大切に保管していたものも。
例えばこのルイスポールセンの照明がそうなんですけど、数年前に購入して使わずにしまっていました。この前価格を見たらすごく値上がりしたので、あのとき買っておいて本当によかったと思いましたね。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと 
<ルイスポールセン>
奥様はオレンジ系の灯り

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <ルイスポールセン>
ご主人は白っぽい灯り

-いつか新築したら、いつかリフォームしたら一気に揃えようではなく、少しずつ集めて大事に育てていくというものの選び方や使い方、すごく素敵ですね。

<奥様>そう言っていただきありがとうございます。いつか理想のお家を作ったら、その時に一気に揃えるのではなく、自分たちの「好き」を時間を掛けて揃えて行くというのが、私たち夫婦でも共通する思いでした。一気に揃えたら金額も大きくなり、どこか妥協しなければいけない点も出てきますからね。好きなものはとことんこだわりたいので、良いものを少しずつ選んでいくというのが私たちには合っているなと思います。

リフォームはまだ先になると思っていた頃、まずは自分たちの寝室から理想の暮らしを始めようと、寝室に置くインテリアをコツコツ揃えました。このソファやギャッベ絨毯は10年ほど前に購入したものですね。ソファは一度カバーを変えて雰囲気を変えて楽しんでいます。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
 <寝室のソファ>
寝室に置かれているソファ。アートギャッベやクスノキのシェルフとの相性も抜群です。
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
小物もボー・デコールのものがたくさん
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
寝室のテレビボード

自分たちの「好き」を追求

-今まで少しずつ集めてこられた家具が見事に収まり、さらにひとつひとつに使い込まれた味が加わっていて本当に感動しました。インテリアを選ばれる際、何かテーマのようなものはあったのでしょうか。

<奥様>使い込まれた木の風合いが好きだったので、早いうちから買って長く使いたいと思っていました。決めていたことがあるとしたら、最初に買った家具がウォールナットだったので、ウォールナットに統一するということくらいでしょうかね。でも絶対ウォールナットじゃなければいけないという訳ではなく、自分たちがいいなと思えば材種はあまり意識せずにその時に欲しいなと思ったものを選んでいました。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <ウォールナットをベースにしたインテリア>
テレビボードはめずらしい赤楠のもの
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <モンキーポッドのスツール>
モンキーポッドのスツール

<奥様>ウォールナットを最初に選んだのは20年くらい前ですが、きっとリフォームをするのは自分たちの代になってからだから50,60歳くらいになっているはず。そう思い20年後のあるべき姿を思い描いて深みのある濃いウォールナットを選びました。

-そのころから完成形を見据えて選ばれていたんですね。

<奥様>そうなんです。色々と理想の家を想像するためにだいぶ勉強しました。『I’m home』は何年も購読していました。実際リフォームが決まってからはキッチンメーカーの資料なども沢山取寄せ、机に向かって受験勉強よりも勉強しましたね。(笑)そんな想いが詰まっているリフォームだったので、契約書を交わした時はものすごい達成感でいっぱいでした。完成したときよりも、契約した時が一番ドキドキしたんです。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
<読み込まれた雑誌やカタログ>

ー確かに20年分の思いが詰まっていますからね。その瞬間は震えそうです。リフォームにあたり建築業者さんも色々探されたんですか?

<奥様>以前寝室を作ってもらった業者さんにお願いしたいというのはずっと前から決めていたので、何年も通っていたんです。それこそ住宅の完成見学会があるたびに必ず足を運んでいました。よっぽどのことがない限りは全部行っていたと思います。

リフォームが決まってから見学会に行かなくなって、そこの会社の方から最近来ないねって心配されたくらい毎回行っていました。

そんな風に何年も通っていたので、担当の方も私たちの好みやこだわりをすごく分かってくださって、スムーズに家づくりができたのはよかったです。

-お家の方も色々勉強されていたんですね。お話する度にご主人も奥様もインテリアに関してものすごくお詳しくて驚きました。

<ご主人>ふたりとも結構勉強しましたね。
床材も突板ではなくウォールナットの無垢材がどうしてもよかったので、自分たちで色々サンプルを取り寄せ納得いくまで考えました。壁の珪藻土は思い描く色がなく、オリジナルで色を配合して塗ってもらいました。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <床材のサンプル>
床材のサンプルたち
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <こだわった壁の色>
こだわった珪藻土の壁

<ご主人>エコカラットの部分も気に入っています。最初は本物の石を貼りたかったんですが、重量がありすぎてリフォームだと不安もありエコカラットにすることに。カタログで見ていても種類も多くてイメージが湧かなかったので、実際に貼った感じを見たくて高崎のショールームまで見に行きました。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <エコカラット>
こだわったエコカラットコーナー

それぞれのこだわりを詰め込んだ
夢の空間

-今回のリフォームは奥様とご主人でそれぞれ担当があったとお聞きしましたが、そのあたりも詳しくお聞かせください。

<奥様>主人はオーディオルームを作るのが夢で、私は理想のキッチンを作るのが夢。お互いのやりたいことをリビングとダイニングキッチンで分けて、それぞれの空間には口は出さないで好きにつくろうとルールを決めました。

<ご主人>私はキッチンには口は出してませんが、リビングには結構口出されました。(笑)

-笑。それもお二人の仲の良さが伝わるエピソードです。ところでご主人こだわりのオーディオコーナーは圧巻ですね。こちらも長年にわたって集められたのでしょうか。

<ご主人>そうですね。オーディオに興味を持ち始めたのは自分が就職したての頃なので、ようやく夢のオーディオルームができて本当に満足です。オーディオは妻に内緒でちょっとずつこっそり集めていました。(笑)

<奥様>そうなんです。ときどき部屋に行くと見たことないものが増えていて…。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <長年かけて集められたオーディオ>

<ご主人>好きなことはとことんやるタイプなので。これは40年くらい前に作ったプラモデル。塗装までかなりこだわってやりました。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <本格的なプラモデル>

<ご主人>オーディオは聴く曲に合わせて種類を変えたり、こだわっています。昔はジャズをよく聞いていましたが、今はクラシックが多いかな。オーケストラではなくてソロ楽器の音数が少ないほうが音が際立って聴こえるので、オーディオの良さをより実感できて好きですね。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <CDコレクション>
CDのコレクションは1,000枚を超えるそう

-これはゆっくり音楽を聴くのが楽しみになりますね。あとオーディオの音をよりよくするためにこだわったことなどはありますか?

<ご主人>音に広がりを出すために天井は結構上げてもらいました。一番高い所で3mあります。あとは、ギャッベを敷いたら音の跳ね返りが和らぎ音がよくなりましたね。これはポリエステルのラグではダメで、自然素材が一番いいんです。

-ギャッベにそんな効果があるんですね!絨毯を敷くと音が柔らかくなるとは聞いたことがありますが、素材によっても聴こえ方が違うのは驚きました。奥が深いですね。

使い続けるほどに
愛着が湧きます

-そういえばこのアートギャッベはご主人が単身赴任に行かれる際に購入されたんですよね。

<ご主人>そうです。このギャッベは福島と北海道、それぞれの土地を一緒に旅してきました。このテレビボードとあとニーチェアも。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <一緒に旅をしたアートギャッベ>
一緒に旅をしてきたアートギャッベ

<ご主人>単身赴任となると、安い賃貸アパートに住むことになるのですが、家具まで安いものだとなんだかそっけなくなりそうで。その為だけに安い家具を買っても結局捨てる羽目になるだろうし、だったら長く使える家具を買って赴任先にも持っていこうと思いました。

ボー・デコールさんの家具は自然素材を使っているからか、本物という感じでぬくもりがあってほっと気持ちが安らぐんです。家具や絨毯には長く孤独な単身赴任生活を支えてもらいましたね。帰って寝るだけの部屋にならずにすみました。

-そう言っていただけてこちらもすごく嬉しいです。

<ご主人>ウールのギャッベ絨毯も気持ち良くて、よく座っていました。化繊のものをずっと触っていたいとはあまり思わないですが、自然のものはずっと触っていたくなります。精神的にもすごく癒されました。

ちょうど行く先々で何度か大きな地震に遭い、テレビが倒れてしまったときの傷も残っています。木だから傷もあまり気になりませんしあえて補修はしていません。これも歴史だなと思います。色々あったな~と家具を見て感じますね。ずっと一緒に旅をしてきたから愛着も湧きますし。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <一緒に旅をしたテレビボード>
傷も歴史のひとつ

<奥様>家具が大事だから引っ越しのとき自分で運んできたんだよね。

<ご主人>そう。テレビボードの構造上持つのに注意が必要なので、変に持たれて壊されたら困ると思い、台車を買って一人で頑張って運びました。

-これをお一人で運ばれたんですか。それは大仕事でしたね。でもそんな風にとても愛着を持ちながら、大切に使ってくださっていることがなにより嬉しいです。

妥協せずにつくった
理想のキッチン

-そして続いては奥様こだわりのダイニングキッチンのポイントについてもお聞かせください。

<奥様>生活動線を考えて、キッチンも本当は全然違う場所に動かすつもりでしたが、そうなると金額が高くなり新築と同じくらいの金額になりそうだったので、ものと間取りをベースに作りました。全部が思い通りとはなかなかいかないのもリフォームならではですが、これはこれでとても気に入っています。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <こだわりのキッチン>

-L型のキッチンすごく素敵だなと思いましたが、これはもともとあったキッチンの形をベースにされたんですね。

<奥様>いい感じですよね。素敵になってすごく嬉しいです。この家に嫁いできたときからいつか理想のキッチンにしたいと思い続けていたので、色々な本を読んで勉強しましたね。

以前新宿のアクタスで見たドイツのポーゲンポールのキッチンがとても素敵で、一番近い雰囲気を出せたのがPanasonicさんでした。組み合わせが豊富なので自分の思い描く理想のキッチンが作れて大満足です。特に気に入っているのが、天板のクォーツストーン。水晶が入っていて、高級感のある雰囲気と薄くグレーがかったフォググレーの扉との組み合わせが凄く好きです。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <一番気に入っているクオーツストーンの天板>
天然水晶90%を配合した高級感のある天板

<奥様>床のタイルにもこだわって、イタリア製の大判のタイルをいれました。とにかく今まで住んでいた家が寒くて寒くて。床暖をいれたことで、タイルでも暖かくて快適に過ごせています。

-この暖かさは床暖のおかげなんですね。空間全体が温まってとても快適です。(この日は外は雪が降るくらい寒い日でした)

<奥様>床暖にしないで後悔するなら床暖を入れて後悔した方がいいと思い、リフォーム部分は全面床暖にしました。あと、食器棚は20年近く前にオーダーで作ってもらったものです。これはウォールナットの雰囲気がすごく気に入っていたので、そのまま使っています。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <数十年前に造作で作ったオーダーの食器棚>

<奥様>私たちの家づくりは、持っている家具に合わせて設計をするということを大切にしてきました。合わせたいものが明確なので、漠然と迷うことはなく、いかに素敵に見せられるかを考えればいいのでその点は考えやすかったです。

夢の空間で過ごす
これからの暮らし

-家具から始まる家づくり、まさに理想だと思いました。念願のリフォームが完成して、あとは暮らしを思いっきり楽しむだけだと思いますが、次の構想はあるのでしょうか。

<奥様>今までは家具やメーカーのカタログばかり見る日々でしたが、これからはこのキッチンで料理本を見るのが楽しみです。

あとはお庭がとても広いので、畑をしたり構想を膨らませたいと思います。

LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと <お気に入りのキッチンでジャムづくり>
LOHASな風景Vol.11_時間をかけて、ゆっくりと
< 取材協力 >
新潟県 I様

Staff Comment
長いお付き合いのI様ご家族。定期的にお店に遊びに来てくださり、お家の構想を一緒にお話しするのが私も楽しみでした。最後に仰っていたお庭の構想ですが、実際に見せてもらったところ、想像の100倍くらい広くて驚きました(笑)これは何でも作れそうですね。新たな夢の構想、またお聞かせください。この度は沢山のお話をお聞かせいただきありがとうございました。今後ともボー・デコールをどうぞよろしくお願いいたします。
LOHASな風景

LOHASとは、楽しみながら自分らしく「健康」や「環境」に配慮したもの選びや暮らし方をすること。“ひとつのものを長く大切に使う” “なるべく環境に負荷の掛けないものを選ぶ” 小さなことでも全てがLOHASな暮らし方へ繋がります。LOHASな風景では自分らしい暮らしを楽しんでいらっしゃるお客様のお家や会社へ訪問し、こだわりのインテリアやお気に入りの暮らし方・働き方をご紹介します。

LOHASな風景