Vol.10_折りにふれる

ーお一人でお店を始められるとお聞きしてすごく楽しみにしていました。あたたかみがあって素敵なお店ですね。早速ですが、お店を始めようと思われたきっかけなどお聞かせいただけますか？

ありがとうございます。小さいころから雑貨屋さんが好きで、いつかお店をやりたいなという夢はずっとありました。でも今までそういった経験もなく、全く畑違いの仕事をしていたので、自分には絶対無理だと思っていたんです。ですが、もうすぐ40歳になるし、人生80年だとしたらもう折り返しなのかと思うことが増えて。せっかくならこのままずっとこの仕事を続けるのではなく、人生一度きりだし好きなことを仕事にしてみたい！そう思ったのがきっかけです。

ー思い切った決断だったんですね。お店を構えるまでは早かったんですか？

それがお店をやろうと決めてからも数年かかりました。それまで市の起業セミナーに行ってみたり、物件を少しずつ探してみたりと動き出してはいましたが、なかなか進まず・・・という感じでしたね。ですが、そんなとき父親が病気になってしまい、色々と考えさせられました。身近な人や自分自身がいつまでも元気でいられる保証もないし、父親が元気なうちに自分が夢を叶えたところも見せてあげたいと思い、「よし！やるぞ！」と腹をくくりました。そこからは一気に進んでいきましたね。仕事を続けながら物件を契約し、商材を探しに展示会に行ったり。その後会社を辞めてから約3ヵ月くらいでオープンすることになりました。

ーやるぞと決めてからすごく早かったんですね！お店の構想もその時に考えられたのでしょうか。

物件は数年前から気になっていたところがまだ空いていたので、比較的スムーズでした。お金もかかるし最初は自分で改装をしようかと思ったのですが、とてもじゃないけど無理で（笑）数年前に新築したときにお世話になった工務店さんにお願いすることにしました。その工務店さんは自然素材にこだわる家を作られていて、自宅もスギの木や漆喰の壁などをたくさん使っていてとても心地いいので、お店もお願いしたいと思いました。

ー確かに杉田様のお家は自然素材をたくさん使われていますよね。お店の雰囲気にも木の感じや漆喰の壁がとても合っているなと思いました。

ありがとうございます。実は壁は自分と家族で塗ったんです。すごく難しくて大変でしたが、場所によって塗り方が違っていて、逆にプロでは出せない手作り感のある雰囲気で。それはそれでいい感じになりました。（笑）

ーそうなんですか！確かにこれは大変そうですね。でもすごく素敵です。漆喰の壁、実際ご自宅で使っていてどんな良さがありますか？

そうですね。見た目のあたたかさはもちろん、湿度を調整してくれたりいやな匂いを吸ってくれるところがとても気に入っています。接着剤の匂いもしないので、他の部分で使っている木の香りを存分に楽しめるところもいいなと思います。

ー確かにお店に入った瞬間、とてもいい香りがしました。新しいお店だと少なからず塗料や接着剤のツンとした匂いはつきものですが、それが全くないですね。すごく落ち着きます。

ありがとうございます。そうですよね。それも今回お願いしようと思った理由のひとつです。あと、新築のときにお世話になった方々が好きすぎて、同じメンバーにお願いしたいと思っていました。実際にお店を作り上げることができて、とても心強かったです。ボー・デコールさんも新築の際の家具選びや子どものランドセルなどを購入したりと長いお付き合い。自然素材のリネンの雰囲気が好きなので、試着室のカーテンは是非お願いしたいと思っていました。

ーそう言っていただけて光栄です。こちらこそお声がけいただきとても嬉しいです。試着室のリネンカーテンすごくよかったですよね。

リネンのくたっとした感じがすごく好きなので、ぴったりでした。最初はもう少し白っぽい色合いのものを選んでいたのですが、実際に持って来ていただいて生地を色々見せてもらった時にこの厚手の生成りがいいなと。持って来ていただけてすごく助かりました。透け感など細かなことも打ち合わせできてよかったです。

ー私も最初はリネン一枚だと透けるかなと心配で、2重にした方がいいかなとか色々考えていたのですが、実際にかけてみたら全然透け感気になりませんでしたね。実際にご覧いただけてよかったです。

ーあとお聞きしたかったのが、店名の「おりにふれ」。すごくいい響きだなと思いました。この店名にはどんな思いが込められているのでしょうか。

嬉しいです。これは「折にふれる」という言葉から来ていて、私自身が季節のものや事に触れるのがすごく好きなんです。例えば、七夕やクリスマスなどの行事ものや季節の美味しいものを食べたり。今の時期だったら蛍を見に行かないと気が済まない！とかとにかく四季を感じる暮らしが当たり前のように根付いてるんです。だから、お店も季節を感じてもらるようにと、「おりにふれ」という名前を付けました。

ーなるほど。由来をお聞きするとさらに深みが増します。季節を感じられるお店って素敵ですね。ロゴにもそういった意味が込められているのですか？

このロゴは私の故郷の自然風景がモチーフになっています。海がなく川が流れる自然豊かな土地で、小さい頃に川でよく遊んでいたこともあり、それがすごく楽しかった記憶があるんです。なので、お店に来てくださった方にも「ワクワクする楽しい気持ちになれるように」という願いを込めました。あとは「初心を忘れないぞ」という思いも含まれています。

ー山に川、良いロゴですね。自然素材でできたお店で、四季を感じるもの選びができるのがとてもいいなと思いました。色々とお話お聞かせいただきありがとうございました。最後に思いが沢山こもっているお店のご紹介を是非お願いいたします。

お店は日用雑貨やお洋服など、多く取り扱う予定です。文房具やキッチン用品、食器もあり贈り物選びなどにもご活用いただけたら嬉しいです。自然素材のものや体にやさしいもの、季節を感じられる商品がたくさんありますので、是非お立ち寄りください。

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