素敵な空間作りにデザインテイストと素材のコーディネートが大切な理由

2021.08.15 2023.04.15

素敵な空間作りにデザインテイストと素材のコーディネートが大切な理由

素敵な空間作りは、色の統一よりデザインテイストを考えた上での質感のコーディネートが大切です。
インテリアの仕事一筋30年、様々な空間をディスプレイ・コーディネートをしてきた経験からお話します。

ボー・デコールオンラインとは?

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、永く使える上質な天然素材のインテリアを発信しているLOHASなインテリアショップ。オリジナルブランドの開発も手掛け、全国のインテリアショップ、デパートなどに提供しています。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。

 

大切なのはデザインテイスト

よくカラーコーディネートなど色彩の調和を考えることが大切といわれますが、同じくらいデザインテイストと素材感が大切です。私がいつもお伝えしていることです。

デザインテイストとは?

たとえばファッションテイストの場合、色調のバランスや統一は考えたのに『なにかちぐはぐ』と感じたことはありませんか?それはデザインテイスト、スタイルを考えていなかった場合ではないでしょうか…

ファッションの場合でもデザインテイストは様々にカテゴライズされます。例えば ナチュラル、スタイリッシュ、エレガント、モード、クラッシック、フォーマル、カジュアル etc
テイスト、スタイルによって印象はガラりと変わります。

コーディネートした色調が合っていても、アウターがモダンスタイル、ドレスシャツがフォーマルスタイル、スカートがクラッシックスタイル、アクセサリーはエレガント、靴はスポーティー…
こんな風だとカラーコーディネートが合っていてもバランスがとても難しいですね。
これは上級者でないと着こなせないミックススタイル。とてもセンスが必要なコーディネートです。

住宅・インテリアのコーディネート

同じように住宅・インテリアのコーディネートにおいても、
北欧ナチュラル、和、ジャパニーズモダン、カントリー、ミッドセンチュリー、プロバンス(南仏)風、シンプルカジュアル、アジアンetc
様々なデザインテイストがあります。

住宅はナチュラルモダンなのにその中に配するインテリア家具、カーテン、小物、照明、壁紙などのテイストがばらばら、配色は統一されているのに何かしっくりこない…
これもファッションと同じです。デザインテイストのチョイスが上手くいってない場合が多いのです。

例えば、リビングにお気に入りのイギリスクラッシック調のコレクションボードを置くなら
壁紙や照明、カーペットもそれに準じたデザインで、中に配する器なども RoyalWorcester社や SPODE社のようなクラシックなスタイルでないと形がきまりにくいのではないでしょうか?
やはりテイストを考えたコーディネートは大切なのです。

インテリアデザインの潮流

日本でもインテリアデザインの潮流はファッションに少し遅れて時間差でやってきます。その時代時代の流行がありました。

思い起こせば1970年代から欧米スタイルの椅子の暮らしが広まり、インテリアの流行もヨーロッパエレガントをモチーフにしたロココ調のインテリアスタイル、豪華客船のキャビンをイメージしたクラッシックスタイル、コロニアル風、アジアンテイストなどのバリ風、カントリースタイルの可愛らしいテイストのインテリア、
1990年代はミッドセンチュリーデザインなどが支持され、それぞれのインテリアスタイルにファンの方がいます。

中でも北欧ナチュラルのデザインテイストは日本でも1990年位から人気が出始め30年近くたった今も親しまれています。そして現在ではすっかり「おしゃれなインテリアといえば北欧」というイメージがあるほど、定番になりました。

北欧ナチュラルデザインの特徴

冬の長い北欧の国々(デンマーク、スカンジナビアの3国)で生まれた建築・インテリア様式には長く厳しい冬の自然と短い夏、日照時間の短さなどの生活環境が大きく影響しています。家で過ごす時間が長いため、インテリアを大切にし家での時間を楽しもうという考えが根付いています。

広大な森林を持つ北欧の住宅やインテリアのデザインは、自然素材をモチーフに削ぎおとされたシンプルなデザイン、素材や造りに拘った上質な意匠、永く使える耐久性が特徴です。

シンプルインテリアと「北欧のシンプル」の違い

北欧のデザインは削ぎおとされたシンプルな意匠だからこそ素材や造りの良し悪しが判りやすい。これが整わないと安っぽく感じ、その上耐久性も弱く使い捨てになりやすいという経験があります。私が「北欧のシンプル」と他のシンプルインテリアとの圧倒的な違いとして感じていることです。

北欧ナチュラルデザインがなぜそれほどまでに日本人に受け入れられたのか、永く人気を博し日本に浸透したのか。日本にも利休が広めた茶の湯の文化、詫び寂びの精神があります。
茶道具だけでなく掛け軸、茶室、そしてそこから見える静寂を感じる庭園や自然など、素朴でありながら古さや落ち着きが感じられる削ぎおとされた空間…
人の目を気にする華美とは真逆の精神だと思います。

日本の民芸品などにもみられる「ワビサビ」の感覚と北欧ナチュラルスタイルには通じるところがあるからではないでしょうか。
造りの良いシンプルなものはやっぱり落ち着きますよね。

様々なテイストとコーディネートできる北欧ナチュラル

北欧ナチュラルデザインは素材にこだわり意匠も削ぎ落されているので、様々なデザインテイストとプラスしてもその人好みで遊びが楽しめると思います。

例えば、
北欧ナチュラルのダイニングテーブルに藍染のランチョンマット、小紋柄の器を配置すれば和モダンに
北欧ナチュラルのチェアの足元に年代物のヴィンテージラグを敷けばミッドセンチュリーテイストに
北欧ナチュラルなソファの後ろの壁にモダングラフィックアートを飾ればスタイリッシュに
人それぞれのアレンジ次第で小物や照明など様々なインテリアテイストを包み込んでその人なりのデザイン空間を醸し出してくれそうですね。

このような理由で一般のお宅の空間をコーディネートするときは北欧ナチュラルスタイルを提案する場合が多いです。

素材のコーディネートと基本のラグ

雪原(グレー) ER6177W イメージ

私がもうひとつ大切にしているのが素材感です。
素材感を統一してコーディネートすると、ほぼ間違いなくお部屋がさりげなく整います。

ナチュラルスタイルに使用する素材、壁紙はできるだけ天然素材か珪藻土などの塗り壁、カーテンはコットンやリネン素材、ラグなどもポリエステル、ポリプロピレンなどの化学繊維は避け自然素材。

床材も塗装ベッタリの着色したものでなければ、もう間違いなくお部屋は整います。そうすれば他のインテリア小物でテイストを変えるなど、小物を変えるだけで模様替えができます。
北欧デザインラグ・絨毯などでラグをコーディネートしてお部屋の基本を決めれば模様替えも意外と簡単です。

部屋の中で大きな部分を占めるラグ

オリジナルラグ ブレンドW ブラウン J2109BN Mサイズ 約150×200cm リビングイメージ

部屋の中で大きな部分を占める壁紙やカーテン、ラグなどの絨毯、ソファカバーなど。
壁紙やカーテンは簡単に替えらませんが、ラグなどを北欧ナチュラルテイストのデザインや素材(カラーは流行に左右されにくいグレー系やブラウンやベージュ、グレージュなどのアースカラー、素材は天然素材をベースにしたもの)にしておけばソファーなどのマルチカバーやクッションなどで変化がつけられます。

一人暮らしのインテリアにも北欧ナチュラルはおすすめです。

ベースのインテリアを北欧ナチュラルにすれば、小物やテキスタイルに変化を付けるだけで遊び心がある生活シーンが楽しめるのではないでしょうか。

ライタープロフィール
ボー・デコールグループ 代表

この記事を書いた人: 今井 良成

ボー・デコールグループ 代表
趣味:山登り、パワースポット巡り

20代の頃からインテリア業界で主にインテリア全般の提案を行う。1997年からシンプルナチュラルデザインに「健康」「環境」を併せ持ったインテリア空間の提案とLOHASなインテリア製品の開発を始め、製品や生産国ごとに7つのインテリアベンチャー会社を起業。
現在までにテキスタイル製品120アイテム、ラグデザイン200アイテム、インテリア製品50アイテムなどのデザイン・企画開発を行うとともに、海外協業先の5カ国において日本国内の基準に合わせた製品開発指導もしています。


2013年 自身がデザイン、ディスプレイをしたブースがインターナショナルギフトショー秋2013のディスプレイコンテストで準大賞を受賞
2014年 自身がデザイン・プロデュースした製品4商品が GOOD DESINGN AWARD 受賞(オーナーを務める G-Reform株式会社にて)
2018年 オリジナル開発のラグ・絨毯で『エコテックス®スタンダード100』肌着レベルのclass2 を6年連続で取得
※エコテックス®スタンダード100とは…350を超える有害化学物質が対象となる厳しい分析試験にクリアした製品だけに与えられる、世界最高水準の安全な繊維製品の証


現在もLOHASなインテリア製品のデザイン、企画、生産地への指導を行い、‘見た目‘より『質』に重きをおいた空間プロデュースや製品開発に取り組んでいます。

ボー・デコールオンラインとは

1999年から「造り」「健康」「環境」をコンセプトに、全国の皆さまに永く使える上質な天然素材のインテリアを発信し続けているLOHASなインテリアショップです。オリジナルブランドの開発も手掛け、ウールラグ『ハグみじゅうたん®』リネンカーテン『Lif/Lin(リフリン)』リネンとコットンの雑貨『8à(ハチア)』を展開。全国のインテリアショップ、デパートなど258社に提供しているロハスインテリア商材の総合開発会社でもあります。オンラインショップでは、自社開発のオリジナル商品とコンセプトに添った厳選したアイテムをセレクト。手仕事で造られた永く愛用できる天然素材インテリアを、少しでもお求めやすい価格で提案しています。


インテリアショップ ボー・デコール